終遠のヴィルシュ

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コンプしたー!!長かった……。感想を書き上げるのにも無駄に時間をかけてしまった。

面白くて先が気になるのでひたすら進められたけれど長かったなぁ……。展開は冗長ではなく色々ぎゅぎゅっと詰まっているから飽きずに進められた。でも最後のルートは途中ちょっとだけ飽きた。コンプした今となってはもーおなかいっぱい!大満足!という感じ。楽しかったよ。ゲームとしてのテキストとみると少しくどく感じるところもあったけれど、分かりやすくもあったのでこれどういうことだったんだろうと疑問を抱くことはほぼないと思う。小冊子のSSは読みやすかったから音声が付くとくどさを感じるのかなぁ。絵はめちゃくちゃ美しかった。ロン毛男たちの美麗な髪の毛をバッチリ堪能できたよ。

CERO:Dの理由はプレイしていくうちに察したが、いっそのこと18禁で見たかったなぁ。難しいことは分かっていてもそういう願望が消える訳ではない。

 

以下にキャラ毎のネタバレ感想。限定版と店舗(ステラのみ)小冊子の感想もキャラによってはある。

 

 

イヴ

イヴルートがメインなのは主人公セレスとの縁よりもアドルフ/アンクゥによる意志の表れが大きい印象だったのでメインとするには少し弱いような気がした。この物語自体がセレスが主人公であっても誰のための物語かといえば結局はアドルフのためのものだからこれでいいんだろうな。

ただ彼にとっての運命の人がセレスなのは間違いない。彼自身がその火傷を受け入れられないまま生きていて、初めてその傷を受け入れたのがその火傷を作る原因だった人なんて運命だし呪いだよね。絶望エンドだったかその特典SSかでヒューゴが自分に対して愛情を抱いていたことに気付く場面があったけれどイヴはヒューゴに対して同等の感情は返せないんじゃないかな。他の人より特別ではあっても恋愛感情へと変化させることは難しいと思ったのでヒューゴのあれこれはそこまで地雷ではなかった。イヴのサポートや代弁者としてヒューゴが必要だったことは分かるけれどそこでわざわざ恋愛感情である必要はあったかなーとは思った。難しい塩梅だとは思う。余談だけど、自分の感想を振り返るとこのルートでも他ルートでもヒューゴの重感情を垣間見る毎に彼の手でセレスの首を落とすエンドがあると思うと書いてあり、その勘は正しかったな……。しかしそのエンドは想像よりもヒューゴがセレスに対して誠実だったのでちょっとほっとしたようながっかりしたような、なんとも言えない気持ちだった。

イヴがセレスに博愛の男は死んだというのが愛の告白になるのは良かったね。

彼のルートは絶望エンドでセレスが生き残るときとイヴが生き残るとき、それぞれで互いの手だけが残るという図は美しくて良かった。救済エンドはSSで桃色パラダイスだったので励め……!!くらいにしか思わなかった。生命活動に勤しんでくれ。

 

リュカ

リュカルートは彼の正体が判明するまでの二人の距離の縮まる様子が良かった分、分かった直後はヒャッハー!!!!だったけれど、段々と全ての物事が悪い方向にしかいかない展開を迎えるにつれてヒャッハーも消えて無くなった。多くの命を奪った彼には相応の罰が下って然るべきなのかもしれないがあまりにもねぇ……。なによりこのルートで一番きつかったのはリュカに対するものよりもナディアの仕打ちでさぁ……カプシーヌが何一つとして可哀想なところのないただのクズであることが唯一の救いだったな。本当に良かった。

リュカがセレスのことを私の天使と思っていたのは一目惚れみたいなものだと思うけれど、共にいる時間の中でリュカがセレスに対する思いが募り、セレスもリュカを好きになっていくと同時にリュカの罪も重なり寿命も限界を迎えてとどんどん道が狭まって未来なんかない状態なのにそれでも手をつないで進んでいくしかないこの状態が美しかったな。でも所々で褒めるという口実を作ってはセレスのことをちゃっかり触っているリュカは流石だよ。

この人のエンドは断然救済エンドが良かった。ナディアを楽にしてあげることが出来たし、セレスの手でリュカを救えてセレスの思うように出来たことが良かった。救済エンドの特典SSで肌色天国だったことはちょっと笑ったけれど、せめてそれくらいはやってあげないとね……あまりにもなので。

どのルートも血の量が多いけれどこのルートは特に多かった気がする。ナディアのところはしんどかったが、でもこのルートは正直18禁で見たかった。カプシーヌの変態っぷりとかナディアとかをもっと見たかったんだわ……。

リュカルートが一番好き。

 

マティス

リュカ→シアン→マティスとプレイしたところで、ジャンは一体何を隠しているんだと思いながらプレイしたらジャンも含まれてはいるけれどマティスのあまりの境遇に唸ってしまった。彼自身に非がない分余計に辛いわ。でもその辛さとは別にホムンクルスの伏線の張り方は面白かったな。運転時の性格変化や小説のことの示し方が自然に感じていたから少しずつその要素が違和感の含むものであることが明らかになって事実が分かった時はなるほどなーと思った。サポートがあったとしてもそんな簡単にいくものではないと思うがまぁジャンの執念のなせる技なんだろう。

救済エンドではジャンのなけなしの良心というか親心が働いて二人は救われたのでちょっとほっとした。リュカみたいな救済エンドが続くとさすがに辛いんで……。元々ジャンは情の厚い人だったからこんなことを実行するに至ったのであって、ちょっとのきっかけが救済か絶望のどちらかに転ぶのは良い塩梅だったと思う。あとこのルートはセレスのメイド姿が可愛いのでこのスチルはもっと欲しかった。立ち絵だけはもったいなさ過ぎる。マティスの女装スチルが素晴らしかったのでセレスのも欲しかったね。

ただマティスは絶望エンドとその後のSSにめちゃくちゃ興奮した。救済エンドと絶望エンドはどちらもマティスの記憶がなくなるけれど彼が彼であることに変わりは無いという希望が両極端な方向に向いたものだよね。絶望エンドではセレスが狂えず自分を偽りマティスの為にジャンの言うまま行動する姿とその結果に悲哀を感じつつも燃えたな……。SS良かった~。

 

シアン

シアンルートは途中までめちゃくちゃ萌えた。セレスへの恋心を自覚したらぐいぐい来るし、セレスのこと大事にするしで楽しかった。ただ救済エンドが好みではなかったので絶望エンド好き!!!!というところに落ち着いた。救済エンドはシアンだからかろうじて許されるであろうご都合展開に少し気持ちが冷めたのはある。あとは絶望エンドとその後のSSで興奮しきったことも大きいかな。一人の体に二人の精神が存在するシチュエーションが昔から好きで、かつシアンの必死さとむなしさが完全無欠だったはずの彼をぐらつかせているというのが良かった。乙女ゲ-の男達は苦しんでなんぼだからね。苦しむ姿が色っぽいので。

救済エンドはアドルフ/アンクゥルートを経た後だと複雑なものがありイマイチ乗れなかったな。このシアンはかつてのシアンではないけれど、欲をいえばかつてのシアンと同様の結論に至った上でセレスを選択する展開が見たかった。書いててややこしいな。すっぽんぽんで子作り宣言すなと感想メモに書いてあって印象的だったんだなと己を振り返る。

 

アドルフ

アドルフは最初からセレスのこと好きだし、セレスが気持ちを自覚して素直になってからぐいぐいいくようになったところでCERO:Dの限界を感じた。ここでばっとやらんでどうする!?寿命や運命は待ってくれないんだからさっさと一発いけ!!!!と直接的な野次を飛ばしながら読み進めてた。自分の状況と気持ちの間で拗らせてるとなかなかすんなり行動に移せないものだよね。

救済エンドは無事くっついてほっとした面が大きいが、絶望エンドのほうが好みだった。そんなんばっかだな。アドルフもアンクゥと同じ道を辿るという因果が良かった。

 

アンクゥ

アンクゥを救いたかったプレイヤーは多いと思う。少なくとも私はそう。ただアンクゥが愛したセレスと今のセレスは同じ存在だけど辿る運命が変わった時点で同じではなくなってしまったからアンクゥとの未来は望めないのはしょうが無いと分かってはいる……でも欲しかったなー。そうなるとアドルフが可哀想なことになるので難しいだろうけど。アンクゥが魅力的なキャラだったから余計に残念な気持ちが強い。

 

ダハト・サロメ・カプシーヌ

攻略対象ではない人たちだが物語の根幹に関わるので簡単に書く。

ダハトは正直攻略したかった。でもセレス相手では恋愛は起こらないだろうなと思うので仕方ない。ナディアとくっついて欲しいとアドルフ/アンクゥルートをやる前までは思っていたが、真相が明らかになるとうーん……となった。ナディアには幸せになって欲しいから……。

サロメはこんな名前が付く人だから絶対黒幕!と思っていた。まともなキャラにサロメなんて名前はいかない。まともではなかったが本人なりのけりを付けられたのかな。望ましい結果ではなかっただろうけど。

カプシーヌは最初出て来たときはまとも枠かと思ったけれど、教団の話題が出て来たときからもしかして……!?という期待感を抱くようになり満を持してのリュカルートだったね。18禁ゲームだったらもっともっと輝いてただろうになぁ……。輝くカプシーヌを見たかった。