マイベストBL2023

2023年は既刊の再読が多く、己の好みと流行とのズレをそれなりに実感する年だった。特に漫画。でも、自分に新しいものを読む余裕がなかったことも要因として大きい。

そんな中でも良い!!と思った作品を挙げていく。作者名は敬称略とする。

 

〜マイベストBL小説2023〜

『鏡よ鏡、お城に隠れているのは誰?』小中大豆

これは『鏡よ鏡、毒リンゴを食べたのは誰?』の続編なんだけど、一作目よりも好みだった。主人公の苦しさが恋愛だけではなく、仕事への意識や悔しさとどう向き合うかといったところを丁寧に描かれていてそれが良かったな。BL小説だから恋愛が全てなわけではなく(そういう話も好きだけど)かといって恋愛以外の事柄が影響を与えないわけでもない、そういった複雑さをちゃんと描けるのが小中先生なのでそういう良さも全面に出ていて良かった。

 

『ポイズンローズ』沙野風結子

夏頃の既刊再読祭り中、未読のものも読みたくなり手を出した作品。好みの分かれる小説だとは思う。でもこういう話好きなんだよ。色々とぐちゃぐちゃになりどうしようもないとなった上でシンプルな気持ちに辿り着く、そんなところが好きだし、結局人間てそういうものなんじゃないかなと思う気持ちがあるので腑に落ちるのかもしれない。

 

『当て馬執事は悪役令息に忠愛を捧ぐ』小中大豆

2023年いちばん楽しんだ小説。もう既に何回か読み返してる。ラブコメは何度読んでも新鮮に楽しい。メインの二人の焦ったいようなかといって間に誰かが入る余地があるわけでもない、そういう関係性がちょっとずつ進展していくのが良かった。紙で予約していたのに発売日に電子で購入して即!読み終えたが、電子のおまけ話がめちゃくちゃ良かったので何も悔いはなかった。

 

〜マイベストBL漫画2023〜

『マリッジ・ゲーム』osogo

何年か前にoperaを定期購読していた際に出会い、面白すぎる!と興奮したのも懐かしい思い出。やっと単行本になって本当に良かった。めちゃくちゃ面白い漫画。ちゃんとBLとしての萌えもあり、かつ話の本筋も面白い。話にも登場人物にも残忍さとユーモアの両方があり、そのバランスが絶妙で漫画のうまさを感じた。この二人のその後も読みたい。

 

『北山くんと南谷くん』砂糖シュガー

晦日に読み、そのままベストBLの仲間入りを果たした作品。北山くんも南谷くんもかわいい。個人的には北山くんの可愛さにジタバタしっぱなしだった。

 

『シュガードラッグ2』頼長

『シュガードラッグ』も面白いが2の方が好みで面白かった。早く続き出てほしい。攻め一人に受け二人という構図がまず好きで、陽介の立ち回りのうまさが鼻につかずかつその中でちょっとずつ絆されるところもあり……というのがいい。今後3Pあるのかな……あってほしい。

 

『恋できないのは君のせい』澄谷ゼニコ

『息できないのは〜』の二人も好きだけど、個人的にはこっちの二人の方が好みだなと思った。しっかりと身長差があるのがいい。続きが読みたい!

 

『凪くんと早崎くん』黄色乃ねこ

とにかく早崎くんが可愛い。ちょっと気持ち悪かったりおいおいと思うところはあれど、それを上回る可愛さで読みながらはよいけ!くっつけ!と思ってしまった。あと、絵が好き。

 

アクロマティック・ワンダーラブ』echo

echo先生の漫画って可愛いんだよなぁと思いながら読んでいた。出てくる人たちみんなかわいい。絵に描いたようなハッピーエンドを迎えてほしいと思ってその通りになることが嬉しいと思える。そんな漫画だった。

 

『モノトーン・ブルー』ながべ

すごく漫画も絵もうまい。そしてほとんどエッチなシーンはないのにすごく色気のある漫画だった。質感のエロさの表現がすごい。メインの二人の交流や心の距離の動きが丁寧に描かれていて良かった。

 

『蛍火艶夜』amase

まだ上巻だけなのに入れてしまった。一般の方ですらあんなに色っぽく男を描く人がBLを描いたら大変だろうなと思ったら案の定だった。ひたすらエロい。各人の抱く感情を込みでめちゃくちゃエロい。続きが楽しみなような恐ろしいような……複雑なところ。

 

『愛される器』九州男児

危ういところに生きてる人たちの切実な愛を描いている短編集。普段コメディを描かれる方がシリアスな話を描いた時のうまさってすごいなと思う。

 

『いじわるきょうちゃん』猫田リコ

この単行本をずっと待っていた。好きな連作。この話はまさに猫田リコ先生の漫画!といっても過言ではないと思う。最初から最後まで基本的にラブラブなんだけどそれが心地よい。きょうちゃんの愛の深さがいいんだよ。

 

年を跨いでしまったが2023年はこんな感じになった。

2024年は新刊をもっと読んでいきたいな。