藤野可織『ピエタとトランジ<完全版>』

 

 

最高だった。

女同士のバディもの。徹頭徹尾表題通りの話だった。百合なのかなぁ。私は百合ではなくひたすら女同士の物語だと感じたのでそう括りたくはないね。ただ百合・GLのジャンルでもこういう物語があると良いなと思った。BLやGLのLoveは恋愛に限らない広義の愛であって欲しい。作品の幅の広さがそのままジャンルの幅、ひいては懐の広さになると思うんだ。

『おはなしして子ちゃん』所収の短編が連作になり完全版としてまとまったものがこの単行本だが、最初の短編の配置に痺れつつもこれを一度読んだことがあるからこその感動はある。ひとまず『おはなしして子ちゃん』を読んだ方がいいかもしれない。他の短編も面白いのでおすすめ。

間隔を置きつつも定期的に読み返したい小説になった。