魔法使いと天使と悪魔

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CG、ED回想共にコンプ。

amazon特典のみ所持。こちらの感想は一番下に書く。

 

めちゃくちゃ良いゲームだった……。

良くも悪くも大きなひねりのない展開のシナリオなので人によっては物足りなさを覚えるかもしれない。でもゲームはシナリオだけで成り立つのではなく、背景を含めたイラスト、音楽、演出といったすべての要素が合わさってのゲームなので、素直なシナリオの良さを際立たせるためにはそれ以外の要素にまとまりがあって効果的に使われることが大切なんだなぁと改めて思うのだった。魔天魔はその塩梅が丁度いい。綺麗にまとまっていて本当に良いゲームだなぁとしみじみ思う。そこら辺の試行錯誤もあって発売延期されたのかなと思うと制作陣のゲームに対する真摯さが感じられるのもまた嬉しいところ。

西緒さんの絵も綺麗だったしその絵に合いかつ世界観にも合う塗りがまた良かった。個人的にはルシルの髪の毛の色が特に綺麗で好きだった。

声優さんがどの方もぴったりでこれまた良かったんだよ~~。さっきから良かったしか言ってないが良いものは良いんだから仕方ない。特にルシルの青葉さんは性的なシーンに入った途端の第一声が素晴らしすぎてめちゃくちゃ動揺してしまった。

今後はFDもいいし新作でもいいし何らかの形ででも細く長くゲームを出し続けて欲しい。

 

だらだらと言葉を重ねても野暮なので簡単にキャラ毎の感想。ネタバレってる。

 

 ルシル

喘ぎがめちゃくちゃエッチなんですよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

まずどうしてもこれが言いたかった。中の人のことを全然知らなくて今回サンプルも聴かず本編で初めて聴いたんだけど、ほんとめちゃくちゃはちゃめちゃどちゃくそにエッチですんげーお上手なんであまりにも衝撃が大きかったために動揺して一瞬目の前が真っ白になるくらいだった。濡れ場以外でも戸惑いやささやかな心の揺らぎを見事に表現されていてすごかった。素晴らしい演技をありがとうございます。

魔天魔はルシルの成長物語でもあった。ただ他人を好きなるだけではなく、他人を好きになる、信じるためには自分がどう変わっていかなくてはいけないのか、ルシルがちゃんと考えて行動していたので話を進めるうちに段々母親のような心境になっていたりもした。戸惑う心境などの描写が細やかででも変に誇張しているわけでもなく違和感なくゲームを進めることが出来た。ルシルは頭の回転も悪くないし情もあるし良い子なんだけどでも家族以外の他人を信じる術を知らない子だったんで、彼が自分の殻を一つ破ることが出来て良かったなぁ。

先にフロウルート、次いでロベリアという順番でプレイしたがおじいさんの生存がロベリアルートで分かってほっとした。多分フロウルートでも遠からず分かるだろうけれどはっきりと明記されていなかったから、ロベリアルートで明かされたときはは~良かった~と思ったのだ。じいさん養生してくれ。

 

フロウ

フロウルートはルシルの成長と共にフロウの苦悩が常にあるものだったので、ハッピーエンドの最後の最後でよ~~~~~~やく!ようやく!結ばれて良かったね!!!!!!と素直に思えた。途中でまだ耐える!忍耐!忍耐しつつも苦しむね!みたいな感じで興奮してるんだかねぎらってるんだかよく分からないテンションになっていた……最後に待望の初めてのセックスに入るところではBGMが無くなるのでここでまた声優さんの熱演が光っていて良かった。ムード歌謡(カラオケver.)とかバトルBGM(何故か妖しいムード)とか歴代のBLゲーム濡れ場BGMに思いを馳せつつ無音もいいなぁと思った。この初めての場面はもうただただ良いの一言に尽きる。

フロウもロベリアもルシルが選んでくれた時点で好感度ほぼほぼMAXだったと思うんで、あとはそこをどう自覚していくかが彼らに課せられたものだったのかな。

フロウはそこで天使であることの制約、制裁とルシルへの思いに苦しんでいたわけだが、BADでは見事なまでにロベリアにつけ込まれていて自ルートより悪魔してんじゃんと思った。

服のセンスがルシルにとってはアレでも彼なりに似合うであろうものを選んでいる様子は可愛かった。女物ばかり選んでいるあたり確信犯でしょ~。

フロウ関連のCGはやっぱキスCGがどれも美しくて好きだなぁ。お風呂場でルシルの足の痛みを取り除く際のやり取りも好き。CGはないけれど、ルシルが初めて村に行く道中での何になりたいかという問いからのやりとりでルシルがフロウの背中に頭をゴンゴンぶつけるシーンが最高に好きでした。ここめちゃくちゃ可愛いのだ。

 

ロベリア

 ロベリアは最初に彼を選んだ時点でルシルへの好感度がほぼほぼマックス状態だったと思うんだよな。彼は元々愛情深い人だしルシルが天使ではなく悪魔の自分を選んでくれた、その喜びは思っていた以上に大きいものだったんじゃないかなとハッピーエンドバッドエンドすべてをみると思うものがある。悪魔らしくそれなりに肉欲もりもりなルートだったけど肉欲以外の気持ちのふれ合いやお互いに相手を気遣う言動や仕草が見られるシーンがすごく沁みた。フロウとロベリアはほんと天使!悪魔!と綺麗に分かれていてルートもその特色がよく現れているからほっとする。魔天魔の良いところだよ~。

こちらのルートでは、ロベリアとルシルが互いに特別な感情を抱いているなと意識してきたところでロベリアがルシルの頬に触れるシーンがもう素晴らしかった……。ここは誰かの感想でもなく自分自身でちゃんとプレイして見て欲しい最高のシーン。絶対見てくれよな。と誰に向けてでもなくつい言いたくなる位に良いシーンなのだ。

バッドではフロウももれなく犠牲になるんだけど格好が天使のままだし身動きとれ無くされてるしで不憫を極めた姿だったのがちょっと可愛かった。でも個人的に一番好きなバッドはルシルに剣を立てることになるエンディングだった。ロベリアの悲しみが綺麗で切ないのがいい。

 

カルボー

どのシーンでもどのカットでもカルボーは出てくるだけで可愛いし鳴くともっと可愛いし動けば最高に可愛いし最後の最後までルシルが一番の使い魔なんです!!!!!!人間に変身してあまつさえ攻略対象になったりしなくて本当に良かった~~~~!!!!!!!!!猫は猫のままが一番……。

 

フロウルートの派生でストルEDが欲しいと思ったがフロウルートのルシルが靡くかというと難しいものがあるし夢のまた夢なのかもしれん。でも欲しい……せめて何かCGが……。

フロウルート・ロベリアルートではそれぞれずっと以前に起こった出来事が関係してくるんだけどそれがまた良かった。公式サイトで補填してあるのでプレイ前後に読むとまた感慨深いものがある。私はプレイ後にちゃんと読んでおぉ……と呻きながらも読んだ。どちらも好きだなぁ。

 

密林特典はフロルシ。読んでてニヤニヤしてしまったんでお好きな方は是非読んでみてね。